キミに伝えたい愛がある。

予定より早く家に着いてヘアセットし、私服で唯一のスカートをはいた。


めぐちゃんから去年の誕生日プレゼントにもらったものだ。


誕生日には、毎年めぐちゃんに祝ってもらっていた。


あと2週間後くらいか。


今年の誕生日はどうなるんだろう。


プレゼントをもらったとしても義務で贈られているのかと思うと素直に喜べない気がする。



「ちゆりちゃん、あと30分くらいでお母さんたち来るって連絡あったよ」



「あ...。ありがとう、おばあちゃん」



祖母はいつもタイミング良く私の側に来てくれる。


まるで私の心の中が読めるかのよう。


寂しい時に頭を優しく撫でられると、私はすぐ泣きたくなる。


泣きたくなんてないのに。


母の幸せな姿を見る前に泣いちゃいけないのに。


どうしても、


どうしても、


止められなかった。



「おばあちゃん...私...私...嫌われちゃった。どう...したら...いいの...」



祖母は何も言わず、黙って私が泣き止むのを見守っていた。