キミに伝えたい愛がある。

りっくんのお陰で入試を無事終えることが出来た。


入試が終わってから卒業式までの数日間は祖母に料理を教わった。


包丁の持ち方から始まり、煮物や炒め物、ご飯の炊き方など簡単なことから始まった。


合格発表が卒業式後だからずっとハラハラしたままだけど料理をしている間は忘れられた。



「ちゆりちゃん、上達して来たねえ。良かった良かった」


「おばあちゃんの教え方が上手いからだよ。ありがとう、おばあちゃん」


「いえいえ。ちゆりちゃんのお役に立てることなら、ばあちゃん何でもやるからね。どんどんきいておくれ」



祖母の優しさが私の冷えた心を徐々に溶かしていったのだった。