キミに伝えたい愛がある。

「ちーさん、お味はいかが?」


「美味しい」


「よし、なら良かった」



そして頭を撫でられる。


この手を握りたい。


なんなら今すぐ抱きつきたい。


りっくんに「好き」っていいたい。


けど、出来ない。


出来ないんだ。


りっくんは私のものじゃない。


遅かったんだ。


もう手遅れなんだ。



「よし、じゃ、教室戻ろう。俺は行きたいとこ受かったからちーに勉強教えてあげるよ」


「えっ受かったの?どこ?」


「東和大。そこの経営学部」


「やっぱりっくんはすごいや。敵わないよ。大人しく教えてもらいます」



ということで、私とりっくんは4時まで勉強した。


頭の良いりっくんは教え方も上手くてすんなりと頭に入った。


6時からはめぐちゃんとかそのお友達とかとバレンタインパーティーなんていうのをやるらしい。


りっくんは私の性格をよくご存じだから私を誘わなかった。


いつもお別れする時みたいに頭をぽんぽんしてくれ、チョコのように甘くとろける私がいた。


りっくんには私の受験日まで勉強を見てもらうことになった。


さすがに毎日だとめぐちゃんに申し訳ないからそれは止めた。


ただりっくんと短時間でも一緒にいられるならそれでいい。


こんなことを出来るのもあと2週間くらい。


卒業したら...


卒業してしまったらもう会えないんだ。


だから今は


今だけは好きでいさせて。