キミに伝えたい愛がある。

「えっ!うそっ!」


「それはこっちの台詞。ちーはワカメも分かんないわけ」



髪の毛を掻き回される。



「止めてよ!」


「ははっ!ワカメみたいな頭!」


「りっくんがやったんでしょう!笑わないでよ!」



おそらくりっくんはバイト中だ。


それなのにこんなことしてて良いの?


私が店長なら、お金払わないよ。



「ちー、やっと笑った」


「はいぃ?」


「昼休み後からなんか様子が変だったから一応気にしてたんだよ。なんかあった?」


「別に何も」


「ほんとに?」



昔からりっくんはこうだ。


意外と観察眼が鋭くて周りをよく見ている。


バレないように隠しているつもりでも知らないうちに気づかれてるんだ。


そして、りっくんの予想は大抵当たっている。



「私のことはいいから、早くワカメの場所教えて」


「はいはい。ワカメはこちらですよ~」


「だから止めてって!」



なんで髪の毛を触りたがるかな?


意味不明。



「もういい!他の人に聞くから」


「ちょちょちょ、ちょっと待って。それは無し!」


「速水!いつまでやってんだ!ちゃっちゃとやっちまえ!」



お腹に脂肪をたっぷり蓄えた偉そうなおじさんがやって来てりっくんを睨みつける。


私はチャンスだと思い、おじさんに聞いた。



「あのあの、ワカメってどちらに置いてありますか?」



おじさんは一瞬ぽかーんとしたが、



「生ワカメは本日は入荷しておりませんのでこちらの乾燥ワカメをお使い下さい。ほら、そこどけ」



と言ってりっくんを追い払い、私にワカメを渡してくれた。



「ありがとうございました。では私はこれで...」



おじさんありがとうございました!


私は心の中で最大級の感謝をして去ったのだった。