キミに伝えたい愛がある。

「ちー!」



反対ホームにりっくんの姿が見えた。


りっくんは猛ダッシュでこちらに向かってくる。


なんで?


どうして?


どうしてここにいるの?



「やっぱり来た。とか言いながら、1回途中まで帰ってた。ちーのために引き返して来たんだよ。偉いだろ、俺」



りっくんは笑ってる。


私は...笑えない。


嬉しい。


すごく嬉しい。


だけど、これは望まれないシチュエーション。


私とりっくんは一緒にいてはいけないんだ。


だからお願い。


私に関わらないで。


これ以上私を苦しめないで。



「青木くんとなんかあったんだろ?それにめぐとも険悪ムードだよな?俺さ、話し聞くくらいしか出来ないけど、ちーの力になりたい。話せば少し楽になれると思うし。なんでも聞くから言って」


「りっくん...」


「ん?」



ごめん。



「そういうの迷惑。自分はめぐちゃんと上手くいってるからいいよね?上手くいってる人に私の気持ちなんて分かんないよ!」


「ちー、落ち着こ」


「りっくんはいっつも上から目線。私のことバカにしてるでしょ?子供扱いしてさ、本当に嫌なんだよ!お願いだから...関わらないで!」


「ちー...」


「めぐちゃんとは終わったの。だからりっくんとも終わり。私は今日この瞬間でりっくんの幼なじみ辞めるから。幼なじみだからって関わってこないで。私と空くんの邪魔もしないで」



言うだけ言ったらすっきりした。


ぶつけたかった相手はりっくんじゃないのに。


りっくん...ごめんね。


ごめん。


本当にごめんね。



「ちー、本心じゃないだろ?」


「本心だよ!」


「ならさ...」



りっくんが私を優しく抱き締める。



「なんで泣くの?」


「泣いてなんかないよ。お願い...離して」


「離さない。だって俺、本当はちーが...」



とその時だった。