「この子を解剖してよ」

そう言い、睦月圭が冷凍庫から遺体を出す。生きている時は、高嶺の花と呼ばれていたのかもしれない。長く美しい黒髪の女性が台に置かれた。その体には痛々しい傷がある。刺し傷だ。

「……わかりました。手錠を外してください。そして、解剖をするための服とマスク等をお願いします」

「わかったよ」

藍の手から手錠が外される。久しぶりに自由になった手に藍は不思議な気持ちを感じた。そして服を着替えた後、腰に鎖をつけられる。

「妙な真似したらわかってる?」

鎖を持ち、ニコリと睦月圭が言う。藍は「わかっています」と答え、メスを手にした。

「解剖を始めます」