「解剖はきちんとされたんですか?」

「されたよ!でも、アイツは自殺だと判断された!!そんなはずはない!だって聞いたんだ。沙羅と同じ劇団に所属していた高遠博、郷野勇吾、牧野美菜が話していた!!「アイツを舞台に立てなくしてやった」と!アイツらが沙羅を殺したんだ!!」

睦月圭が激しく怒りを見せる。藍はその名前に聞き覚えがあった。それは、聖が教えてくれたニュースで自殺したと言われた三人だった。

「……わかりました」

藍は解剖を引き受ける。しかし、それは藍にとって危険を伴う行為だ。

睦月圭は、睦月沙羅が殺害されたと信じて疑わない。 睦月沙羅がもしも自殺だった場合、逆上して藍が殺されてしまう可能性もある。しかし、遺体は真実しか話さない。

藍は覚悟を決めた。

朝食を食べさせられた後、藍は枷を外されて初めて部屋の外へと出された。長い廊下を歩かされ、ある部屋へと入る。そこには、研究所のような台や器具が置かれている。