そしてこの事にあのからかい好きの村人が反応しないはずもなく「おめぇいつの間に女作ったんだべ?ホント隅にもおけねぇ男だべな」とか言ってくる。それに重ねて鈴音もふざけて「まだ一夜の付き合いですよ」などと言い余計に話をややこしくするのだった。それから鈴音の引越しの手伝いをし、祝いを家ですることになった。やはり勝手に村人と鈴音で話がはずみ到底話に入れそうにはなかったが、村人がいきなり「誓いのキスを」とか言って来るもんだから、さすがに「辞めてくれよ」と言いかけたのだが、目をつぶってこっちを向いてくるもんだから思い切って僕はそっと鈴音の唇に唇を重ねた。しかし村人が笑いはじめたもんだから、何なんだとか思いながら少しイライラしていると、鈴音がすかさず「頬で良かったのに唇にしてくるとは大胆だね大和」と言うもんだから怒る気も失せてしまった。それから夜も更け祝いが終わった頃、突然村人が「おら、これから隣の集落に遊びに行くから明後日までは帰ってこねえから2人でゆっくりするといいだべよ」とか不敵な笑みを浮かべながら言って間もなく
家を出ていってしまった。