「結衣、見てごらん」
「わぁ、綺麗。よく見えるね」
「うん。結衣と来られて良かった」

「えっ、これ見るつもりでここまで来たの?」
「そうだよ。去年の夏は夏らしいことできなかったから。今年はね」

「ゆうちゃんありがとう。花火見たの久しぶり」
「僕も。本当はもっと近くがいいかなって思ったけど、あんまり人混みはね。疲れるし」

「うん。これぐらいが丁度いいね」
浜辺に座って、肩を抱き寄せ花火を眺めた。
来年も再来年も、ずっとずっと先の夏も結衣と過ごせますように。そう願わずにはいられなかった。