キミと歩けば

「ねぇ、もうこっちおいで。風邪ひくよ結衣!」
「えー。もうちょっとだけ」

砂浜で駄々をこねる結衣を僕は走って行って、後ろから抱きしめた。

「つかまえた」

抱きしめ耳元で囁くと、今までの元気が嘘のように大人しくなった。

「ゆ、ゆうちゃん?」
腕の中でクルリと向きを変えた結衣と目があった。