扉を開けいつも通り診察室に入って来て椅子に腰掛け
「先生こんにちはー」
「こんにちは。どう?大学は楽しく通えてる?」

「うん。友達もできたし、講義も楽しいよ。
でも広いから移動するのがちょっと大変かな」

「そっか。高校とは違って倍以上の広さだもんね」
会話をしながら、聴診器を耳にかけると結衣も看護師さんも診察を始める合図であると言う事を分かっている。

聴診は丁寧に。
意識を耳に集中させる。
「結衣ちゃん、一回深呼吸してみて」

いつもより少し長くなってしまった診察に結衣が不安そうに尋ねた。