しばらく眺めていると段々と分からなくなってくる。
そんな言葉にしない気持ちなのに、ゆうちゃんには分かってしまうから不思議だ。

「結衣、今日は帰ろう。また今度」
「え?でも…」
「いいから」

そう言って背中を押され、車に乗り込んだ。

「眉間にシワよせてショーケース覗いてるのなんて結衣ぐらいだよ」
「うそ?そんな顔してた?」
「うん。とても指輪を選んでるような顔には見えなかった。また次の休みに違う店行ってみよう。だから今日は帰ってちょっと休憩」