キミと歩けば

「そんなんで結婚なんてしたら、佐伯さんちのご両親に申し訳ないと思わないの?好きな気持ちだけで結婚なんてできないのよ」

「……あの子の方が雄介より強いわね。…これ」
そう言って差し出されたのは5通の封筒だった。宛名はすべて母親の名前だ。

「何これ?」
「いいから。読んでみなさい」

差出人はすべて結衣で、どの封筒にも便箋1〜2枚の手紙が入っていた。
僕は言われるがまま投函された順に読み進めた。