なんだかあの日を境にゆうちゃんとの間に溝が出来てしまった気がする。

結婚しようって言っているのに、なんだかこのままだと自然消滅してしまいそうな気がする。
まるで神様が試練を与えているみたい。

母さんの言う事が全く理解できない訳じゃない。確かに結衣と結婚すれば、世間一般の夫婦よりも辛い事や苦しい事が多いのかもしれない。
それでも僕はもう結衣のいない人生が想像できなくて、結衣と一緒に生きていきたいと願っている。
結衣は僕の全てだから。

結婚の話は膠着状態のまま月日だけが流れ、喜び勇んで買った結婚情報雑誌はいつのまにか本棚の奥に仕舞われていた。

結衣とデートをしても結婚の話には、どちらも触れる事がなくなんだか中身の無いデートを重ねていた。