キミと歩けば

「あの、先生。一つだけ宜しいですか?」
お母さんが真剣な表情でゆうちゃんを呼んだ。

「はい、なんでしょうか?」
「結衣の主治医をして下さってる先生にこんな事お伺いしていいのかと思うんですが…」
「は、はい」

「私たち夫婦は結衣が生まれてすぐに、命に関わる病気だって知らされた時からずっと、覚悟してきました。
もし、その時が来たら結衣が後悔しない生き方をさせてあげようって。先生方のおかげで娘はありがたい事に今もここにいます。そして今日、結婚したいと言う人を紹介してくれました。

でも病気が治らない限り、その時は必ず来ると思っています。もしそうなった時に娘が先生に残せる物……夫婦の価値観もあるとは思いますが、結衣は先生の子供を産むことができますか?」

「ちょっと、お母さん。何言ってるの?急に」
私の制止を振り切って「いいから。」そう言った。