1月下旬の晴れた日。
今日は私たちにとって、とても大切な1日。

約束時間の10時ピッタリにやって来たゆうちゃんは、手土産を持ち緊張の面持ちでリビングのソファーに座っていた。
お母さんがお茶を配り終わり、着席するとピシッと背筋を伸ばした。

「今日はお時間を頂きまして、ありがとうございます。本日はお願いがあって参りました。
結衣さんと結婚させて下さい」
そう言って頭を下げた。
それを見て私も両親に頭を下げた。

「先生、頭上げて下さい」
そう言ったのはお父さんだった。
2人で頭を上げるとお父さんはゆうちゃんの顔をまっすぐ見た。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
そう言って今度は両親が頭を下げた。