キミと歩けば

車に乗って走り出すと
「ゆうちゃん、ありがとうね。はっしー助けてくれて」
「助けるって大袈裟だよ。でも呼ばれるならもっとマシな格好しとくんだった」
「え?そう?」
改めてゆうちゃんをみると、黒のスウェットにグレーのトレーナー。完全に部屋着…

「誰がどう見ても医者には見えないよ」
「そんなことないよ!さっきの技をみたら分かるよ」
「あんなの、学生レベル」
「そうかなぁ?」
「まぁいいけどね。それより成人式どうだった?」

「うん。割と楽しかったよ。でも中学の時の友達には、ちょっと嫌な事いわれちゃった」
「嫌なこと?」
「うん。病気とかって言ってたのにまだ生きてたんだ。って」
「なにそれ」

「だから、生きてて悪かったね!って言ってやった」
「それでこそ結衣だ(笑)」
「あーぁ。でも疲れたー。振袖の着付けあったから今朝は5時に起きたんだ」
そう言いながら欠伸をした。

「おつかれさん。家着いたら起こしてあげる。寝てていいよ」
「ううん。せっかくゆうちゃんといるから、起きてる」
なーんて言ったのに2分後には首をカクカクさせていた。