キミと歩けば

ゆうちゃんが処置を始めて3分も経っていないのに、血が止まり始めた。

「腕、痺れてないですか?」
「はっはい。大丈夫です」
「結衣、携帯のライト付けて。写真撮る時の」
そう言われ準備すると
「こっち。ここで持ってて」
「もう出血は止まったので、一度拭きますね」

ゆうちゃんがハンカチで拭くと、はっしーの腕には3センチほどの傷があった。
「あぁ確かに…結構切れてますね。うん、でも大丈夫。じゃあ、はっしーさん。すこーし我慢して下さいね」

ゆうちゃんの言う『すこーし我慢』は全然少しじゃないことを知っている私は、心の中ではっしーにエールを送った。
「痛っ!イデデデ!痛いって先生!痛いって」
「もうちょっと。ガラスが入ってたら厄介だから」
「だから痛いって!マジで!!」
「ハイ終わりました。大丈夫、ガラス入ってないからもうすぐ終わるよ」