当日は出席番号順に着席しバスで移動した。
私の隣は三枝くん。
見た目だけで言うなら誠実そうなタイプに見える。

「佐伯さんときちんと話すのは初めてだよね。佐伯さんて地元ここなの?」
「うん、そうだよ。大学から電車で40分ぐらいの距離かな。三枝くんは?」
「ナオトでいいよ。僕は宮崎県から来てるんだ。だからまだこっちの生活に慣れてなくて大変。買い物も場所が分からないから、土日はひたすら出かけて、街中散策してる」

「そうなんだ。でも珍しい物なんて何もないでしょ」
「そんな事ないよ。向こうにはないスーパーなんかあって意外と楽しいし。そうだ今度、街を案内してよ」
気さくに話しかけてくれる三枝くんにつられてつい、いいよ。って了承してしまった。
けれど友達ができて嬉しかったのも事実だ。