退院して2週間が経った頃、後期の授業も開始された。そしてやって来たのは退院後の定期検診。エコー検査、採血、そして診察。

エコーも採血もゆうちゃんじゃないから、淡々と事務的に終わっていった。
後は診察だけ。自分の見解では悪い事を言われる気配は全くない。
むしろ久しぶりに会えるゆうちゃんにワクワクしていた

「佐伯さーん。3番へどうぞ」
看護師さんに呼ばれ、診察室に向かい扉を開ければ待ちに待った愛しき人と目があった。

「こんにちは結衣ちゃん」
「こんにちは先生」

椅子に座ったのを確認するとゆうちゃんは、プリントを見ながら話し始めた。

「エコーの結果も血液検査の結果も大丈夫。問題なし。退院してから何か変わったことはない?」
「うん、大丈夫。元気だよ」
「じゃあ問題ないね」
そう言いながら、ゆうちゃんは聴診器を耳にかけたので私も診察の準備をする。
「ゆっくり深呼吸しててね」

「うん。心蔵も肺の音も大丈夫」
嬉しそうにゆうちゃんが笑うから、つられて笑ってしまう。
「段々と寒くなってきたから、風邪には気をつけてね。じゃあ今度は一ヶ月後で大丈夫だね」
次回の予約をして今日の予定は終了。

ゆうちゃんから『大丈夫』とお墨付きを頂くと本当に丈夫になって何でも出来そうな気がしてくるから言葉ってホント不思議。