キミと歩けば

けれど、無情にもその願いは叶わなかった。
夕方、携帯にかかって来た電話がそう告げた。

スーパーで買い物をしていると電話が鳴った。
画面には『南陽大』の文字。
慌てて持っていた肉を売り場に返し応答した。

「もしもし。原田です」
「中岡です。呼び出しじゃないから安心して。今、時間いい?」

「うん、どうした?」
「307の佐伯さん。窄刺決まった。さっき黒田教授が来てて、長引かせるのは患者にも悪いからって。明日にでも親呼んでインフォームドコンセントの書類作って処置しろって。連絡したらお母さん出て、明日の10時に父親つれて行きますって。窄刺は原田先生がやるようにとの事です。前もって知ってた方がいいと思って連絡した」

「…そっか。うん分かった、ありがとな」
「うん。じゃあな」