キミと歩けば

しばらくして看護師さんとゆうちゃんがやって来た。

「横になると、呼吸するの辛い?」
「自分の周りだけ、空気が無い感じがするの」
「吸えないだけで、痛くはない?」
「うん。痛くない」

答え終わると服の隙間から聴診器が入ってきた。診察してるのに、迷惑かな?って思っても止めることが出来ない咳。

「はい、いいよ。苦しくないギリギリの所までベッド下げて、足の下に枕かクッション敷いてごらん。酸素も少し上げるから」

そう言われ、看護師さんがベッドを調節してくれた。
30度ぐらいになったのだろか…大丈夫そうだ。

そして新しく用意された足置き。
「この角度だったら平気?」
「うん、大丈夫」
「じゃあとりあえずはこれで。でももしまだ寝れないようならコールして。睡眠導入剤も検討するから」
「うん、先生ありがとう」

みんながいなくなり、静かになった病室。
せっかく足置きを用意してくれたのに、結局横を向いて丸まって眠ることにした。