キミと歩けば

それを聞き明らかに拗ねて下を向いているとそっと頭を撫でながら

「結衣、こればっかりは仕方ないよ。外来だって予約の人がいるし、結衣の検査だって先延ばしにできない。ね?」

一生懸命に仕事をしているゆうちゃんを困らせたい訳じゃないのに、可愛くない態度ばかりとってしまう。
分かっているのに、こんなんじゃ嫌われるって思っているのに行動に移せない。

助け舟を出したのはママだった。
「もう結衣ったら。先生が困ってるでしょ。すみません、先生」
「いえいえ。気にしないで下さい。結衣が頑張ってるのは知ってますから。それに本心じゃないってことも」
そう言って頭を撫で続けてくれるゆうちゃんに、黙って頷くことしかできなかった。