キミと歩けば

パクパクとあっという間に、おにぎりを食べると「ゼリーは置いとくから、いつでも食べなよ」
そう言って冷蔵庫に入れてくれた。

「こんなとこで、ごはん食べてて平気なの?」
「大丈夫。大丈夫。僕がここで食べたいから。結衣の側に居たいんだ」
寝転んだまま、ゆうちゃんの顔を見つめると
「なに?えっ?おにぎり食べたかった?」
「違うよ。なんとなく、見てたかっただけ」
「見たって何もないよ。さて、そろそろ行こうかな」
「えっ、もう?」
「今日はちょっと予定が詰まってるんだ。寂しくなった?」
「ちょっとだけ。1人の病室は静かすぎるから」
「また、夕方来るから。」
そう言って、頭をポンっとすると部屋から出て行った。