キミと歩けば

「夕飯、終わりましたか?」
お盆を確認すると
「食欲ない?もう下げていいかな?」
「すみません。お願いします」
「じゃあ、お薬忘れずに飲んで下さいね」
「はーい」
ママが容量を確認しながら準備してくれる。

19:30を過ぎた頃、ママは帰って行った。
何もする事がなく、寝転んで天井を眺めていた。するとノックの音がして、ドアの方を向くと、お待ちかねの人がやってきた。

「結衣」
「ゆうちゃん」
ベッドの横に座るとチラリと点滴を確認し、手首を取った。

「お母さん来てたんだ。もう帰ったの?」
「うん、またパパと土曜に来るって」
「そっか。僕ももう少ししたら帰るけど、何か要るものある?」
「ううん。大丈夫。でもね、コレどうにかして欲しい」
「なに、点滴?なんで?」
「パジャマ。着替えられない」
「あっ、そうか。でも今、外せないから。消灯までに看護師さんが新しいの持ってくるはずだから、その時に手伝ってもらって着替える?」
「うん。じゃあそうする」