「こんにちは結衣ちゃん。ちょっと一緒に見させてもらうね」
そう言ってエコー画面を見始めた。
私の方からは何も見えない画面を2人は真剣に見ている。

「原田先生、ここですね」
「うん…左室の弁は?」
「こっちもか。肺はどうなってる?」

ゆうちゃんの問いかけに川本先生の持つエコーはどんどん進んでいく。
「はい、終わりました。お疲れ様でした」
川本先生がそう言うと、看護師さんが胸を拭き、体を起こしてくれた。
けれど熱があるからか、起きる上がると目眩がした。でもエコーを見ている2人と片付けをする看護師さん。誰も気付いていなかった。

「また後でお呼びするので、一回廊下で待ってて下さい」そう言われ靴を履こうとベッドを降りると、膝の力が抜け倒れそうになり咄嗟に壁に手をついた。

「おぉ、大丈夫?」
支えてくれたのはゆうちゃんだった。
「熱、高いの?」
その問いに答えたのは川本先生だった。
「38.2度ですね」
「そっか。辛かったらソファで横になってていいよ。なるべく早く呼ぶようにするから」