キミと歩けば

「はい、お待たせ」封筒を渡してくれた。
受け取り、カバンにしまい立ち上がると、すかさず肩を持たれ強制的に回れ右。

「はい、そのまま。結衣ちゃんはこっちでーす。付いて来て下さーい」

……バレた。
付いて行った先はもちろん診察室。
部屋の電気をつけると、座ってと一言、言うとゆうちゃんは備え付けのアルコール消毒で手を洗った。
観念して椅子に座ると、差し出された体温計。
目線をあげると、「ん?なんかあった?」なんてトボけている表情でこちらを見ている。