あれから2週間が経ち結衣は前期の試験が始まっていた。
勉強の邪魔をしちゃいけないと思い、この期間だけは会わずに電話だけにしていた。

「試験お疲れ様。後何個あるの?」
「明日と明後日で終わり。2つずつで合計4つ」
「そっか。後もう少しだね」
「うん。2日乗り切れば夏休みだよー」
「いいねぇ夏休みなんて学生の特権だね」

試験勉強の疲れなのか、どことなく声に元気がない。

「今だけだよね夏休みなんて。予定考えなくっちゃ。ケホっ、ケホっ」
「どっか行こうよ。決めといて」
「ケホッケホッ。本当?連れて行ってくれるの?」
「いいよ。ところでさぁ、その咳。風邪ひいてんの?」