薬箱を持って、改めて肘を見ると傷からズレた所に貼ってある絆創膏。

「ズレてるじゃん。どれだけ不器用なの?一回取るよコレ」
「えー。ズレてた?おかしいなぁ。ちゃんと見たんだけどなー」

「そんなに酷い怪我じゃないね。でもちゃんと消毒しないとばい菌が入る。ん、ここでティッシュ持ってて」
「ほーい」
「この傷口に対して絆創膏ってチョイスはさすが結衣だね。絆創膏より傷の方が大きいのに」
「怪我には絆創膏が定番でしょ?」

一体誰にとっての定番なのか分からないが、とりあえずガーゼをして、包帯で固定。
「はい、出来たよ」
「えー。なんか大怪我したみたい。しかも曲がらない」
「肘なんだから、しょうがないでしょ」
「そうだけど…」
「怪我には気をつけてよ。ばい菌入ったら大変な事になるんだよ」

「分かってるってさぁ食べよう!ご飯が冷えちゃう」
「え?冷製パスタでしょ?」
「あっ、そうだった。そりゃ冷えてるね」

自分で作ったくせに、そのセリフ。
結衣の天然発言には付いていけない。
まぁでもそれが可愛いんだけど。