キミと歩けば

「すみません。お待たせしました」
そう言いながらゆうちゃんがドアを開け入ってきた。
ドアを閉めれば、二人っきり。
机を挟んで向かい合って座った。

「コレ。また書いて」
そう言って書類を差し出した。書類を見ると
「たぶん、そんな事だろうなって思ったよ。ちょっと待って」
そう言うと必要事項をサラサラと書いていく。
書き終わるのを待つ間に、思わずため息をついてしまった。

「はい、オッケー。でもちょっと待ってて、この部屋、朱肉が無いんだ印鑑押してくるから」
そう言って出て行ったのを確認して、椅子の背もたれに背中を預けた。
思ったよりも早くドアが開き、驚いて慌てて背中を正した。