キミと歩けば

検診の日から数日が過ぎたある日の夜。
仕事が終わり家に戻ると結衣が来ていた。
玄関を開けると美味しそうな夕食の匂いがした。
たったそれだけのことなのに、嬉しくなりリビングの扉を勢いよく開いた。

「わっ!びっくりしたー。もっとゆっくり入って来てよー。驚くから」
「ごめんごめん。でも嬉しくてつい。晩ご飯が出来てるー。何?今日?」

嬉しくてウキウキ気分でキッチンを覗き込むと
「トマトとベーコンの冷製パスタでございます」
「おー。お店屋さんみたい」
「そんなことないよ。さっ、もうできるよ。手洗ってきたら?」
「うん。すぐ来る」