5月はもう一つ、とても大切な日がある。
ゆうちゃんの誕生日だ。
盛大にお祝いしたい気持ちはあるけど手の込んだパーティーや、プレゼントを用意することは難しいので簡単な事しか出来ないけど、それでも失敗は出来ない。
今年はアニバーサリーイヤーだから。
ゆうちゃんは30歳になる。

21時過ぎに電話をかけるとすぐにでてくれる。
「ゆうちゃん?お疲れ様。今、電話いい?」
「うん。お風呂行こうかどうしようかって思ってたとこ。結衣は?」

「私は宿題しようか、明日にしようか…って迷ってたけど明日にした(笑)」
「コラコラ。今日できることを明日に延ばさない!」
「私は明日できる事を今日しない主義なの」
「出た。結衣の屁理屈(笑)
「いいでしょー別に。それよりさぁ!今度お休みいつ?予定ある?」

「今度?いつだっけ。日曜だったかな。部屋の掃除しようかなって思ってたけど、なんかある?」
「掃除手伝うから、隣町のショッピングモールに連れて行って欲しいんだけど」
「うん、いいよ。行こう。なんかあるの?」
「ちょっとね。買いたい物あるんだけど、まだ内緒」