通話ボタンを押して応答すると

「良かった。家にいて、早く開けて下さーい」
「え、なんで?いきなりすぎない?」
「いいから早くー」

急かされ、ロックを解除した。

のんびりしてられない!片付けないと!!
さっきまで結衣がいたんだから、結衣の私物がたくさんある。
見られてマズイ物はないか…

すると今度は玄関のインターホンが鳴った。
グルリと部屋を見渡し、確認しドアを開けた。

「久しぶり!元気?すんごい場所に引っ越したんだねー。お邪魔しまーす。あっ、これお土産ね」

人の話を聞かずにズカズカと部屋に入り、手渡されたクッキーの箱を手に、とりあえず椅子を勧めた。