ゆうちゃんは決して嘘をつかない。
痛い物は痛い、苦しい物は苦しい、辛い物は辛い。
治療に関しては必ず真実を言ってくれるから、安心して任せられる。

ゆうちゃんがカルテを入力する間に、服の袖を捲ろうと準備していると、竹原先生は熱心にメモを取っていた。

「ねぇ、先生」
「んー。何?」
パソコンに向かったまま、ゆうちゃんが答えるので
「違う違う。竹原先生」
「えっ?あっ、はい、なんでしょうか?」
「竹原先生がやってよ」
その言葉に一番驚いたのは、紛れもなく本人。
竹原先生だった。