近くの建物の軒先で雨宿りしながら、持っていた折りたたみ傘を広げた。
けれどタオルもハンカチも持っておらず、濡れた髪や服はそのままだ。
傘をさし、講義予定だった教室に戻ると二人が待っていた。

「二人ともごめんね。急に」
「ううん。別にいいけど…私、何かした?」
そう尋ねる加奈子に黙って首を振ることしかできなかった。
そして私は病気の事。運動できない事。通院している事などを話した。