いつもは優しいキスをくれるのに、まるで噛み付くように荒々しいキスをしてくる。

息をする暇さえ与えてくれず、胸を押し返すと口を離し

「嫌なの?アイツの事、考えてた?」
目を見て言われ、その問いに答えようとすると
「いいよ答えなくて。嫌なら拒んでよ」

もう一度キスをする。そんなの拒める筈がない。
嫌なんかじゃないから。いつもよりも強引なゆうちゃんに攻められ、気づかされた。

ゆうちゃんはいつも、好きだよ。愛してるって言ってくれるから勝手に愛されてる気でいた。
でもそれじゃダメだってこと。

恋愛って愛し愛されて。相思相愛でいるから幸せなんだって。せっかく出会えた恋だから。気を緩めればすぐに手から溢れて消えてしまう。
この手を離してしまえばきっとゆうちゃんは居なくなる。