「あの、えっと…私、男の子と話すの苦手で慣れるまで目とか逸らしちゃうかもしれない…んだけど浅田くんのこと嫌いとかそういうのじゃなくて…」

文章にもなってない説明に浅田くんはクスクス笑った。

「大丈夫だよ。気にしてないよ、じゃあね史華ちゃん」

その言葉に私も安心して笑顔が溢れた。
教室のから出ていこうとした浅田くんの後ろ姿を1枚、カメラに納めた。

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帰り道。
紗奈は次のコンクールに気合いを入れていることを話してくれた。
徒歩で20分。
分かれ道でばいばいするまでの時間。