『それではクラス発表行います。2年生、3年生は正門前にお集まり下さい』

スピーカーから響き渡る放送委員の声。
その声と共に沢山の生徒が正門前に集まってきた。
制服は紺色のブレザー。スカートは茶色のチェック柄と当たり障りなく生徒はほぼ進学する人ばかりの普通科の高校。
男女比は五分五分くらいだった。

大きな白い模造紙を片手に次々にクラス発表が行われた。

「同じクラスだ!ねぇ!史華!同じクラス!」

わいわいと騒ぐ紗菜に言われ模造紙を見ると2年2組に私の名前もあり心の中でガッツポーズした。
中学の頃から出席番号の1番は紗菜の名前ばかりだったが今回は違った。

「紗奈が2番なんて珍しいね」
「ほんとだ…朝田尚(あさだなお)くんだって」
「どんな人なんだろう」

紗菜と私は出席番号の話題で盛り上がりながら新しい教室へと向かった。