あの日の空にまた会えるまで。





「もうほんっっっっとムカつくんだけど!」
「真央ちゃん、落ち着いて」
「落ち着けない!!」

コテージに戻ってからもずっと怒っている真央。あの後もずっと悠斗に馬鹿にされていたらしく、どちらかというと奏先輩にというより悠斗にキレている。

「このイライラどうすればいいの?!どうしたらおさまるの!?」

それは、私にも分からないけど…。
キーー!と怒る真央に私は苦笑いを浮かべるしかなかった。すると。

「なになに?なんの騒ぎ?」

と奥から遥さんと彩月さんが缶ビール片手にやってくる。2人を見た途端、真央がグッドタイミングと言うかのように

「聞いてくださいよー!!!」

と叫んだ。



真央の上がりっぱなしの怒りのボルテージがやっと降下してきたのは遥さんと彩月さんに全てを話し終えたくらいだった。誰かに話を聞いてもらうとスッキリするしね。

やっと落ち着いたようで、話し合えた真央はジュースを飲みながら笑顔を浮かべていた。

「あースッキリしたー!」
「良かったね、真央」

と言いながら時計を見る。そろそろ行かなければならない。奏先輩が待つ場所へ。ソファーから立とうとしたそのとき。

「ねぇ、その奏先輩ってさ、川橋奏のことだよね?」

と遥さんが言う。

突然の言葉に、体はピタリと止まってしまった。それはどうやら真央も同じなようで。

「遥さん、知ってるんですか?」
「知ってるよー。同じ講義取ってるし同じ交換大学生だしね」
「私も知ってるー」

2人してグイッと缶ビールを飲み干すその飲みっぷりは流石としか言いようがない。

でも、そうだよね。遥さんも彩月さんも3回生ということは奏先輩と同じなんだもんね。知っていてもなんら不思議じゃない。

「川橋と葵ちゃんたちが知り合いとはねー。世間は狭いもんだわ」
「でも川橋だけはやめときなよー」
「え?」

彩月さんが言った最後の言葉に小さく声が漏れた。どういう意味だろう?