真央に対して、怒りでもなく怒ってるわけでもない何とも言えない感情が垣間見える。その感情は、言うなれば負の感情とも言えるけれど、違う。これは。
無関心。
ーーーあいつは結構冷たい奴だから。
蓮先輩の言葉の意味をほんの少しだけ理解した気がした。
これが、会わなかった6年という歳月なのだろうか。
「今はあおちゃんの手当てが先だから、他の皆は先に行ってて」
「は!?一緒にいるし!」
「戻ってくるのが遅かったら心配されるよ」
「心配されるからってなに?あんたと葵を2人にするわけないじゃない」
怒る真央に見向きもしないまま、奏先輩は私に「座って」ともう一度促してくる。更にはわたしの肩に手を置いて、座るようにと優しくそして小さく肩に手を置くその大きな手に力を込めた。
言われるがまま、されるがままそこに座らされた私はまたなにも言えずに奏先輩から目を逸らした。
こんな、あまりにも突然で唐突な再会を誰が予想できただろうか?
このキャンプで再会すると分かっていて参加を決めたのに、こんな突然だなんて想像すらしなかった。
「聞いてる!?」
そして、いまだに怒る真央を静止してくれたのは、意外にも悠斗だった。
「もう行くぞ、立川」
「はぁ?悠斗あんた、なに言ってんの」
「あのな、俺も同じく頭来てるよ。でも良く考えてみりゃ、再会を覚悟して、話をするために葵はここに来たんだろ。だったら俺らが邪魔しちゃダメなんだよ」
「なに良い子ぶってんの?さっきまでは怒ってたくせに」
「葵を無視してギャンギャン吠える立川見てたら逆に頭冷えたわ」
悠斗、それはさすがに真央の逆鱗に触れるだけでは…
「はぁぁぁ!?」
ほら、やっぱり。
暫く、春ちゃんと悠斗に連れられる真央の怒鳴り声がそこら中に響いていた。



