あの日の空にまた会えるまで。





ーーー結局、BBQと川遊びを終えるまで奏先輩と再会することはなく、気付けば夕方近くなっていた。

あまりにも出会すことがないためか、時間が経ってくると頭の片隅には奏先輩の存在はあるものの純粋に楽しんで激しくはしゃいでしまった。

そんな時、コテージでのんびり過ごす私に春ちゃんが言いにくそうに話しかけてくる。

「先輩とは、会えたの…?」

あまりに言いにくそうに言うから、私は思わず苦笑した。春ちゃんには奏先輩のことは詳しく話してない。だからこそこんなに気を使わせてしまってるのだろうけど、わざわざ話す気にもならなかった。もっと言うと奏先輩の全てを思い出すのが辛かったから。

苦笑したまま、私は首を横に振る。

「会えてないよ」
「……そっか」
「もう会えないまま終わればいいんじゃない?」

奏先輩を嫌う真央が突っぱねる。

「変に掻き乱されるよりこのままでいいと思うけどね、私は」
「……真央」
「何度も言ってるしこれ以上言わないけどさ、あんたも蓮先輩も真面目過ぎ。過去は過去で終わらせたらいいのに、今更真実がどうとか。なにそれ、厨二病ですか?って話よ、私にとったら」
「……」
「葵がそれを知って納得するんならいいかもしれないけど、結局はあっちの自己満足だし」
「……」

一息置いて、続ける。

「……まぁ、私は会ったらまず殴るからよろしく」
「殴らなくていいって」

よろしくってなによ?
なにその宣言。

真央はよっぽど奏先輩が嫌いらしい。顔が嫌悪感で満ちている。嫌いと書いてある。けれど、そんな真央の気持ちが分からないほど私も馬鹿じゃない。

私は再度、苦笑するしかなかった。