ーーーキャンプ当日。
キャリーケース片手に事前に春ちゃんに貰ったしおりを真央と2人で覗き込んだ。
待ち合わせは朝9時。複数の車で向かうらしく、待ち合わせ場所には数台の車と人が沢山いた。けれど、距離の問題で待ち合わせ場所はここだけじゃないらしい。別にもう一つ待ち合わせ場所があるらしく、それを考えたら結構な人数が集まるようだ。
「私たちは高島さんって人の車に乗せてもらうみたいだね」
「その肝心の高島さんがどこにいんのか分かんないよ」
春ちゃんは既に乗せてもらう人を見つけ出して車に乗り込んだ。春ちゃんに至っては顔見知りの人だったみたいですぐに見つけてたけど、何せ初対面初参加の私たちには名前だけ知ったところで見つけるのは困難だ。
ちなみに悠斗も参加しているけど、持ち前の社交性と馴染みやすさを発揮し、一瞬にして見つけ出してた。ほんの一瞬であれだけ人の心と流れを掴めるのはもう一種の才能だと思う。とうの本人が言うには、馬鹿だからそれしかやれないだけ、らしい。
「どうやって探すのこれ?名前書いた看板とか持っててくれないと無理でしょ。私こういう系の人探し無理なんだけど」
あー面倒くさい…と呟きながらも周りをキョロキョロと見回す真央。私もそれに合わせて周りを見渡した。
正直言って見渡したところで高島さんを知らない私たちにはわからないんだけど、周りを見渡した私の意識は高島さんではなかった。
ーーー奏先輩
まだその姿は見えてない。もしかしたらもう既に車の中か、もしくはもう一つの待ち合わせ場所にいるか。
覚悟はしてきた。奏先輩がこのキャンプに参加していることは承知で来ることを決めたんだから、今更逃げたりはしない。
自分がどうしたいのか、どう終わりにするのか。あの日の真実を聞いて、それから答えを出したい。
会って、話を聞く。その答えは出た。
なら、次に出すのはそれからの答えだ。私は奏先輩になんと言うのだろう。なにを言って、何を想って、どんな答えを出すのか。
自分自身でも分からない答えを、私はきっとこのキャンプで知ることになると思うんだ。



