どうやったて同じ道を歩くことはできないし、傷付けた私にそれを望む資格などないのだ。

「でも、終わったから…」
「…うん」

真央の手のひらが私の瞼に乗る。

「今は…泣きな」

また涙が溢れてきて、私は目を閉じた。



真っ暗な視界の中でふと、6年前の私たちが映る。


いつも側にいて、ただ真っ直ぐに好きだったあの頃、私は馬鹿みたいに幸せそうに笑ってた。
奏先輩の信じてと言った言葉だけを支えにして。


いつまでも頭にこびり付いて離れない過去はどうやって消すことができるのだろう。

私は誰かに聞きたい。


どうしたら、全てを忘れることができるのかと。