「もう放っておいてくださいっ」
頭痛が酷いんだよ。これ以上頭を痛くさせないでほしい。
「1人で帰れます。祐飛さんは講義があるんなら行ってください。奏先輩は…」
一瞬言葉をつぐんでしまう。
「ーーーついて来ないで」
心配する表情の祐飛さんとは裏腹に、私の言葉で傷ついた顔を浮かべた奏先輩から視線を逸らした。
奏先輩をこうしてハッキリと拒否したのはこれが初めてだった。
「行ってください、祐飛さん。講義が始まります」
私の様子からもうなにを言ってもダメだと思ったのか祐飛さんは納得していない顔をしながらも頷いてくれた。
「……気をつけて」
「はい。心配してくれてありがとうございました」
祐飛さんが踵を返した。その背中を見ながら、解放されたことに少しホッとして私はそのまま何事もなかったようにまた歩き出す。
なにを考えているのか分からない顔で立ち尽くす奏先輩になにも声はかけなかった。
いや、かけれなかった。あんなハッキリと拒否をしておいてこれ以上なにを言えるのだろう。
もうほんとに頭が痛い。頭痛が酷くなった気がする。熱も上がっていそうで、一刻も早く家に帰ってベッドに入りたい。



