「葵、なんか熱くない?」
「え?」
熱い?なにが?
私が純粋な気持ちで聞き返すと真央は怪訝な表情を浮かべて、次は人差し指ではなく手のひらを私のおでこに当てた。
「ちょっと熱い気がする…」
「ほんと?私別にしんどくないけど…」
強いて言うなら色々考えすぎて頭が痛いくらいで。
「まぁ高くはなさそうだけど、これは………」
おでこに手を当てたまま、真央はふむふむと目を閉じて何かを考える。そしてパッと目を開けると華麗に言い放った。
「ズバリ、37.5℃!」
「結構高いね」
37.5℃もあって体調の変化に気付かないのはあり得ないと思うけど。
「覚えてないの?高校のとき、39℃の熱あっても体育やってたくらいのバカなんだから、葵は。その時だって私が保健室送りにしてやったし。可能性はじゅーーーぶんある」
保健室送りって…
なんだか言い方がとても物騒。
そんなこともあったけど、あの時はちゃんと少しだけ調子悪いとは感じていたから、私は決してバカじゃない。
「本当にしんどくないの?」
「うん、全然」
ふーんと言いながら真央は私のおでこから手を離した。



