「辛いことを辛いって言えなくなったのも、すぐ諦める癖も、今までならなんでも挑戦してた葵がそれをやらなくなったのも、全部奏先輩のせいだよ。奏先輩があんなことをしなければ、こんなことにはならなかった」
「……真央」
真央には奏先輩がいなくなったあの日の真実は話していない。奏先輩本人もあまり人に話したくないと言っていたし、人に簡単に話せるような内容じゃないと思って誰にも言っていない。
だからこそ、真央はまだあの日のことに納得していないんだ。
「何を言われたか知らないけど、葵がこうやって追い詰められてるのも私は正直納得いかない」
でもーーーと真央は続ける。
「私がどう言おうと決めるのも悩むのも葵だから、私が無闇に口を出すべきじゃないかなとは思ってるよ」
私の言葉で葵が悩むようになるのは嫌だ、と言って真央はニコリと笑う。
「決めたことをやっぱりできないってのはよくあると思うよ。簡単に有言実行できる人ってそういないんじゃない?だから皆、悩み事が尽きないわけだしね」
「……そう、なのかな」
「そうだよ。極論だけど、ダイエットだってそうじゃん。やると決めても次の日には食べまくってる」
それはちょっと、極論すぎるのでは…?
ダイエットとはちょっと…いや、大分違う気がする。



