あの日の空にまた会えるまで。


「前も言ったと思うけど、奏先輩に裏切られたあの日から葵は変わったよ。辛いくせに辛いとも言わなくなったし、諦め癖がつくようにもなった。どうせ自分なんかって自分を過小評価してる。もっと言うと無意識の中で自分から周りに距離を置いてる」
「……」

自分でも知らなかった事実に驚きが隠せない。

気づかないところでそんなにもあの日のことは自分に影響があったということか。

「気づいてないかもしれないけど、葵に新しい友だちができるとき、絶対その日のうちに私に紹介するか私が側にいるときなんだよ」
「えっ」
「高校の時もそうだった。最近でいうと春がそうじゃん。私としては友だち増えるし、逆に私の知らない葵の友だちがいたらちょっと寂しいけど、どんな形であれまた裏切られるのが怖いから、だから私を挟むのかなーって思ってたよ」
「…っ」

全然気づかなかった。本当に無意識だ。

確かに春ちゃんもその日のうちに真央に紹介したし、思い返してみれば高校の時もそうだった。友だち作りには必ず何処かで真央を巻き込んでいた気がする。だからこそ、私の数少ない友だちは全員真央の友だちでもある。

何も考えずにしていた行動を指摘されてそこで初めて気付く。そんなことにさえ意味があったのだと。

「ご、ごめん」
「謝るkとじゃないでしょ。それが悪いとか言ってないし思ってない。そんなんで葵の不安が少しでも消えるならお安いもんよ。でもそうやって周りに距離を置くようになった葵を見てたら思うんだよ」
「……」



「ーーー全部、奏先輩のせいだって」



それが、真央が奏先輩を嫌う本当の理由。