「あの後大丈夫だったの?」
「まあ…うん」
「何その煮え切らない返事は。何かあったんでしょ。もうほんっと迷惑な人なんだから!これ以上私の葵を混乱させないでほしいわ!」
「お、落ち着いて、真央」
私まだ何も言ってないし。相変わらず真央は1人で突っ走る癖がある。
「何があったの?」
「何かあったっていうか…」
正確にはあったというより、言われたってのが正しい気がする。その言われた言葉がずっと頭から離れなくて、どうすればいいのか分からなくなって、真実を知って答えを出したはずなのに、その答えすらも見失ってしまった。
蓮先輩に相談に乗ってもらったりしてあんなにウジウジしながらも出した答えに、今はもう胸を張ることが出来ない。
無かったことにしようと告げたあの決断を、いつか良かったと思える日が来るといいと蓮先輩に言ったことも昔のことのように感じてしまう。
「ねえ、真央」
「ん?」
「私ってこんな面倒臭い性格だったっけ?」
「何、どういうこと?」
「ずっとウジウジして迷ってて、自分でもどうしたらいいのか分かんないの。私ってこんな奴だったっけ」
「あおい…」
「全部忘れて前に進もうって思ってたんだけどね…」
答えを出したら前に進めると思ってたのに、全然そんなことない。自分の女々しくて優柔不断な嫌な性格が露呈してしまっただけだった。
訪れた沈黙に私は目を伏せる。暫くの沈黙のあと、真央が静かに口を開いた。



