「……祐飛さん?」
私の声にパソコンを操作するその人は顔を上げる。
「葵ちゃん…」
受付のパソコンを操作しているのはキャンプに行ったときにお世話になった祐飛さんだった。
キャンプ以来。祐飛さんとは会っていない所か姿さえ見なかった。もちろん高橋さんにも会っていないし、なんなら遥さんや彩月さんにも会っていない。
元気にしているだろうかとは思っていたけれど、どうして祐飛さんが図書室の受付に…?
私の疑問を感じ取ったのだろう。祐飛さんは私が何も言っていない中で答えてくれた。
「ゼミ担に言われて、ちょっとした手伝いしてんだよ」
「そうなんですか」
「バイトじゃないし、気楽にできるから暇つぶしにちょうどいい」
図書室の受付のお手伝いなんてあるんだ。はじめて知った。
「それより久しぶり。元気だった?」
「はい。元気でした!」
元気よく答えると祐飛さんは苦笑いで人差し指を口に当てる仕草をする。静かに!と訴えるその仕草に私は慌てて口を抑えた。
危ない危ない。図書室だというのに思わず大きな声を出してしまった。
静かにしないと周りに迷惑になってしまう。すみませんと言うと祐飛さんはまた苦笑いを浮かべた。



