あの日の空にまた会えるまで。



さっき、奏先輩はなんて言っていた…?

嫌いだとかの話をする前だ。


ーーー国際言語ブースと経済学ブースは真逆だよね


奏先輩は図書室に来るのは初めてだと言っていた。分からないから場所を教えてくれと。どうして国際言語ブースと経済学ブースが真逆の場所にあることを知ってるの?

もしかして、図書室は前にも来たことがあるということ?

だったらどうして場所が分からないなんて嘘をつくのだろう。
そんな嘘をつく理由は?

「……」

悶々と自分の中だけで考えたって誰も答えてはくれない。


しっかりしろ、葵。


私は無理矢理頭の中にあるもの全てを振り切って再度足を動かした。そんなことをしたところで振り切れるわけがないのは知っていたけれど、それに頼るしか無くて。

しっかりしろとただただ自分に言い聞かせたーーー



必死に胸の中を隠して押し止めて、解決策なんて分からないまま、奏先輩が何を考えているのかも分からないまま、自分が出した答えの意味を心の中で再度確認する。結局、人間というものは全てにおいて言葉にするのは簡単なんだ。できると思って言葉にするのに、いざとなればできやしない。前に進めない。ーーーけれど。


ーーー……俺と2人きりは嫌だったでしょ


そう思われたかったわけじゃないことだけは分かってほしい。


「……頭痛い」

こうやって答えのないことをグルグルと考えてしまう性格が嫌い。考えるのも思い出すのも、頭が痛くなる。

……今日はなんだか疲れた。

普段ならもう少し図書室に入り浸るところだけど、同じ場に奏先輩がいるというだけで集中が出来ない。もう帰ろうかな。

持っていた参考書を所定の位置に戻して踵を返す。ついでに返却しようと思っていた本をカバンから取り出して受付へと向かうと驚きの人物がそこにいた。